Jesse FriedmanとDamian Faganによって2010年、当時サンフランシスコのレストラン界隈で流行の兆しを見せ始めていた「farm-to-table」という新しい考え方をクラフトビールに取り入れる事を目指し設立。
もともとは自家醸造家だった二人。ファーマーズマーケットで手に入れてきた原材料を使って醸造し、クラフトに対する情熱と技術を高めてきだが、その飽くなき冒険心や熱い情熱の追及、地域社会との共存を目指しより大きな規模の醸造を始める事にした。
「Farm to Barrel」をモットーに掲げ、地元産の最高品質のフルーツなどの原料をさまざまな伝統的なスタイルのビールと一緒に醸造し、北カルフォルニアらしい、個性的な味わいのビールを造り出している。
Almanacの醸造する全てのビールは地元の農家達とのコラボレーションにより造られている。北カルフォルニアにある様々な農場と毎年の収穫期にパートナーシップを組み(組む相手は毎年異なっている)、醸造に使用するフルーツの供給を受けている。彼らのビールの造り方はこうだ。まず浮かんできたアイデアを共同でまとめあげ、アイデアが一旦固まると次はパートナーシップを組む農家を選定する作業に入る。選定作業においては注意深く、そして家族経営の小さな農場を選ぶ。そう、ブリューワリーの様に小規模な。そうして彼らのビール造りは始まる。
水、モルト、酵母、ホップが全て混ざり合い、甘味と苦味のバランスよく兼ね備えたビールが出来上がる。そこにフルーツを加えることにより、食欲旺盛な酵母がフルーツの持つ糖分を食べる事が出来る。これらが美しいフルーツの味わいを持つビールを生み出すのだ。
全てのビールが昔ながらの造り方はもちろんのこと、それだけに限らない様々な造り方で伝統的なスタイルのビール造りを少量生産で行っている。2013年にはブリューワリーの代名詞とも言える「Farm to Barrel」シリーズが登場。彼らのバレルエイジビールはオーク樽で熟成されており、樽の中に詰められたビールの味わいはこの二次発酵の過程において進化し続け、樽の持つトーストバニラやオークの風味を纏い、地元農家のフルーツと混ざり合い、奥深く美しい味わいへと昇華してゆく。
彼らは自分たちの醸造所を持たない「パートナーブリューイング(委託醸造)」を行っており、サンノゼにあるHermitage Brewing Co.の醸造設備を使っている。これによりクリエイティブで自由な発想のビールを醸造する事が可能となっている。彼らはただ自前の醸造設備を持っていないだけで、ブランド、ビールそして素晴らしいレシピの数々を所有している。彼らが自前の醸造設備を手に入れるのはまだも少し先の事になりそうだ。
そのユニークな価値観によって今、アメリカで最も注目を集めているブリューワリーの一つ。

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