SAUCE BREWING Co.(ソース ブリューイング カンパニー)
設立:2016年
創業者:Mike Clarke
場所:マリックビル シドニー、オーストラリア ニューサウスウェールズ州

クラフトビール、そしてホップへの情熱は人の人生を大きく変えてしまうこともある。Sauce Brewingの創業者Mike Clarkeは、元々IT業界で20年ほど働き、ひとかどの成功者でもあったが、クラフトビールシーンへの憧れから、キャリアを捨ててゼロからブリュワリーの創業まで突っ走った。
2010年に、単純なホームブリューキットを購入。そのセットアップではすぐに満足できないようになりいっぱしのガレージブリュワーとなった彼は、さらに熱中しすぎて大規模なホームブリューイングシステム(冷蔵庫9台を組み込んだもの)と4タップのサーバーも組み上げてしまい、妻と一緒に生活していた家から引っ越しを余儀なくされたこともあった。 そのような流れの中で、彼がブリュワリーを立ち上げるのは当たり前のこととなり、妻の協力もあって、2016年にジプシーブリュワリーとしてSauce Brewingを立ち上げる。この「Sauce」というブランドネームは一晩ビールを飲みまくりながら考えて、一番好みだったスラング(※「Sauce」とは「Juice」のようにHip Hopの世界においてストリートで生きて行くために必要とされる真の尊敬を意味し、少しくだけて「すごい」「ヤバい」ことを表す。「Juice」より一時的ではなく永遠にヤバくいつづけられるのが「Sauce」)にしたという。
その後、すぐにシドニーのクラフトビールハブとなっていたマリックビル地区に倉庫を見つけ、1年をかけ苦心の末にブリュワリーの設備を構築。ブリュワー目線で高度に自動化されたハイスペックなブリューイング設備、実験用のパイロットシステムやカンニングライン、屋根を覆うソーラーパネルとさらには照明システムまでを作り上げた。生産プロセスと品質に関して大規模醸造の経験を持つBrodie French氏をヘッドブリュワーに任命し、2017年10月ついに自社ブリュワリーをオープン。
彼らはローカルに食事やビールを届け愛されるブリューパブであることと、オーストラリア全国にビールを届けること、そして、さらにインディペンデントなクラフトブリュワリーとしてできるそれ以上のことをどん欲に求めている。そのために必要な設備と環境を最初から完璧に作り上げようとしたのだ。足元の緑と真っ青な空、都会のオアシスともいうべきブリューパブ内のビアガーデンは常に賑わっており、シドニーの一大名所になりつつある。 Mikeの好みもあり、コアラインナップはホップフォワードなものがメインとなっている。
IPA、Pale Ale、Session IPAからDouble IPAまで、発売からすぐにオーストラリアのホップヘッズを虜にし、連続での受賞歴が証明するようにかなり高い評価を得ている。さらに、次々と生み出されるビール、サワースタイルから、バレルエイジドのスタウト、イングリッシュなMild Ale、ニューワールドホップを使用したピルスナーなども人気を集め、特に、独自のNew England IPA『Bubble & Squeak』は2018年1月のリリース直後から多くの支持を集めた。
あっという間にオーストラリアを代表するインディペンデントブリュワリーとなったSauce Brewing。妥協なきビールの味わいとホップへのこだわりがこの急成長を支えている。そしてその背景には、Mikeが「クラフトビールシーンの一部になるため」に、それまでのキャリアすべてを捨てた情熱がある。Mikeは、今も趣味のホームブリューイングの延長線上で、ただシンプルに多くのドリンカーを喜ばせたいと突き進んでいる。

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